現在、コンディショニング指導している高校野球部の2年生内野手(レギュラー)が第一肋骨疲労骨折を発症しました。昨日トレーニング指導に行った際、監督・本人から肩が痛いという訴えがあり機能評価をしました。

 

発生状況:

一昨日、試合の打席で(右打者)、外角のストレートをライト方向に両腕をかなり伸ばして打ち返した際に右肩後方に痛みが走る。その後も、痛みは感じていたがプレーは続行。

問診・触診

患側上肢が重だるく、肩を動かすと肩後方から下方、背中(僧帽筋上部部分)に疼痛が出るがはっきりと痛みの部分を同定はできず。

首の筋肉がかなり張っていた。 

既往歴:

今年の6・7月、夏の県大会前の練習で連日バッティングピッチャーをして、肩痛が出たことがあり2週間投球を中止した。その後新チームでレギュラーとなり、一昨日まで肩痛、今回のような背中の痛みを感じたことはなかった。

その他、ダイビング捕球後の痛み、選手間の衝突などなし。

得られた理学所見は:

・肩関節自動挙上、外転90°以降の可動範囲で腕を挙げるのは辛い

HFTCAT(肩後方、後下方の柔軟性):陽性

HERT(腱板関節面と上方関節唇の衝突、疼痛の再現性):陰性

・インピンジメントテスト(肩峰下の疼痛再現):陰性

EETEPT徒手抵抗(インナー、アウターの筋機能バランス):疑陽性

SSPISP徒手抵抗(腱板筋の筋力):脱力現象

・顕著な圧痛部位:僧帽筋上部(特に肩甲骨上角周辺)、四辺形間隙                                           

             側胸部の痛みや深呼吸時痛はなし

・観察をしていて気になる動作:健側の手を患側の僧帽筋上部や肩後方部分(四辺形間隙)、脇の下部分(広背筋部分)に手をあてがっていた。

痛みの部位が同定できないため昨日スポーツドクターに連絡を取り、本日CTを含めた精査を受け『第一肋骨疲労骨折』と診断されました。 

改めて今回貴重な経験

『症状や痛みの箇所を同定できない症例』にたいし、我々アスレティックトレーナーが選手にしなければいけないことは、まずスポーツドクターの診察を受けてもらい、診断、痛みの同定をしてもらうこと。その後ドクターと連絡を取りながら選手のサポートをすることが大切です。

私は鍼灸マッサージ師ですが、今回のように疲労骨折に対しマッサージは禁忌です。痛みの部位が同定できていない症例に対し仮に鍼治療をしても何の効果も得られません。 

アスレティックトレーナーの皆さん、これからも選手・指導者とスポーツドクター、そしてトレーナーが三位一体となってアスリートをサポートしていきましょう。

 

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