小学生からプロ野球選手まで様々なレベルで野球肩、野球肘を発症し、痛みが強く練習や試合を休まなければいけなくなった選手が当治療院を訪れます。このような状態にならないために野球肩、野球肘を早く治すポイントは、投球不能まで痛みを我慢してプレーを続けることは避け、違和感や異常を感じたら我慢せずすぐに治療を開始することが大切です。

そして、野球肩、野球肘を予防するためには、投げ過ぎに注意する、年齢に応じたトレーニングを継続して行うこと、肩・肘に負担のかからない投球フォームの習得が大切なポイントです。
Kスポーツマッサージ鍼灸院はスポーツ障害、特に野球の怪我の治療、リハビリに特化した治療院です。

ここでは、当治療院の野球肩・野球肘治療の流れについて紹介いたします。

 

1.初診時問診

問診では、野球肩、野球肘を発症した時の状況やその後の治療の有無、痛みの経過などを聞き、投球障害となった原因を探していきます。主な問診内容は以下の通りです。

・既往歴(今までに肩や肘関節を痛めたことは?肩・肘以外の箇所を痛めたことは?など)

・痛めた時期とその後の経過(治療をしていたのか?痛みが増してきているか?など)

・週間投球数と1週間の練習時間(過剰な投球数・練習が野球肩や野球肘の要因になってはいないか?)

・痛みが出る投球動作(ティクバック、腕の加速時、ボールリリース時、フォロースルーの各動作)と、痛みを感じる部位(肩の前側、後側、関節の深いところなど)

2.身体機能評価

身体機能評価とは、徒手抵抗(手で抵抗を加える)による筋力評価、筋肉の柔軟性、関節の動き、スポーツ整形外科で使われている徒手によるさまざまな検査方法で痛みの箇所を確認し、野球肩・野球肘に繋がる可能性のある原因、部位を見つけ出します。

当院で実施している野球肩・野球肘に対する身体機能評価は以下に示す27項目です。

・肩(肘)・肩甲骨の機能 16項目

・体幹の機能 4項目

・骨盤・股関節の機能 7項目

3.投球フォームチェック

次に、投球フォームをチェックし痛みの原因を調べます。炎症や痛みが強い場合には、この時点では投球フォームチェックは実施しません。その場合には、痛み・炎症が消失してから実施します。

調子が良かった時に撮影した投球フォームの動画があれば持参していただけると、選手本来の投球フォームの特徴を確認・整理することができ、その後の治療やリハビリ、投球フォームの修正が必要な場合に非常に役立ちます。

4.怪我の評価

➣身体機能評価で明らかになった動きや筋力低下が問題となって、投球フォームを乱し野球肩や野球肘を発症してしまったのか

➣身体機能に問題は見られないが、以前から肩や肘に負担の加わりやすい投球フォームが原因で野球肩、野球肘を発症してしまったのか

➣問診で確認した過剰な投球数や練習によるオーバーワークが原因しているのか確認、評価をしていきます

5.治療開始

上記のチェックを実施し症状や原因を把握した後、選手や親御さんに状態を分かりやすく説明し、治療方法を説明したうえで治療を開始します。

野球肩・野球肘の原因

投げすぎ、低年齢から変化球の投球開始

体力レベルが考慮されていない練習方法、過密な試合スケジュール

不良な姿勢(猫背、お尻が下がっている姿勢など)

肩甲骨周囲、肩後方筋肉群の柔軟性低下、股関節の可動域(動く範囲)の低下

腱板筋(インナーマッスル)の筋力バランスの異常、身体の安定性(バランス)不足

肩関節・肘関節に負担が加わる投球フォーム(肘下がり投球、上体の開きが早い投球フォーム)

野球肩・野球肘の予防方法

➣ 年齢に応じた投球制限(関連サイト:投球障害に対する提言

➣ 変化球投球開始年齢の考察(関連サイト:アメリカの投球障害調査

➣ 肩・肘関節に負担の少ない投球フォームの習得

➣ 常に全力投球は避け、試合状況に応じて投球スピードに強弱をつける工夫

➣ 柔軟性の確保、特に肩甲骨周囲筋群、肩関節後方筋群、股関節周囲筋群

➣ 成長に応じた練習内容、体力強化(トレーニング)

➣ 食材からのバランスの取れた栄養補給

野球肩の主なもの

肩を痛めた時に肩の前側は治りづらく、肩の後側は治りやすいから大丈夫という言葉を時々患者さんから耳にしますが、これは全く根拠のない話です。

痛めた部位がどこであれ、野球肩は症状が重ければ治るまでに時間がかかり、時には手術が必要になる場合もあります。そうなってしまうと完治するまでに長い期間を要してしまいます。異常を感じたらすぐに投球を中止し、専門医、治療院に相談し症状がひどくなる前に治療を開始するようにして下さい。

また野球肩を予防をするためには、投げ過ぎに注意し、投球に必要な体幹の強化、下半身の柔軟性と筋力の強化、肩甲骨周囲筋群を含めた肩関節の柔軟性とバランスの整った筋力の強化を日々行うことが大切です。

・リトルリーガーズ・ショルダー
・投球骨折
・インピンジメント症候群
・腱板炎・腱板損傷
・関節唇損傷
・上腕二頭筋長頭腱炎 

野球肘の主なもの

野球肘は痛めた部位によって内側型、外側型、後方型に分けることができます。

骨の成長が終了するまでの成長段階では骨や関節軟骨の障害が多くみられます。

成人になると筋肉や腱の付着部分、靭帯の障害が多くみられるのが特徴です。

内側型野球肘
・上腕骨内側上顆裂離骨折
・尺骨鉤状結節剥離骨折
・上腕骨内側上顆骨端線障害
・内側側副靭帯損傷
・前腕回内・屈筋群付着部炎

外側型野球肘
・上腕骨小頭離断性骨軟骨炎

後方型野球肘
・肘頭骨端線閉鎖不全
・肘頭疲労骨折
・インピンジメント(骨棘形成)

投球障害(野球肩・野球肘)のアスレティックリハビリテーション

料 金

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