9月24日、NHKで放送された「東洋医学 ホントのチカラ」は鍼灸マッサージ師の私には非常に興味のある番組でした。

 

なかでも、フランスや中国で行われている耳つぼ研究を参考に、アメリカ空軍医リチャード・ニエムゾ博士が開発した戦場鍼治療(Battlefield Acupuncture)という、長さ5㎜ほどの特殊な鍼を利用した耳針療法は非常に興味ある内容でした。

 

博士の科学的研究から、100以上ある耳ツボの中から急性・慢性の痛みに即効性がある5つの耳ツボを見つけ出し、耳に鍼を埋め込み痛みをコントロールするというものです。
この治療を科学的に分析したところ、脳の前方部分に位置し、脳の興奮を抑える役割をしている前頭前野の血流が増加し活発になることで、痛みを感知する扁桃体の活動を抑えることができると考えられているそうです。
現在、世界各地の米軍基地で導入が始まっているそうです。

 

また、この5㎜程の特殊な鍼は、大惨事となった2010年ハイチ大地震の時にも活躍したそうです。十分な医薬品がなく被災者に満足な治療が提供できなかった場所でボランティア団体が鍼治療によって多くの人を救ったことは同じ鍼灸師として誇りに思います。

 

日本に500万人以上いると言われている脊柱管狭窄症(背骨の中を通っている脊髄が圧迫され腰痛や足の痛み、痺れが出る症状)は、脊髄が圧迫されている部分(腰椎レベル)から出ている脊髄神経が支配する脚の皮膚領域(デルマトーム)に鍼通電治療を行うことで、圧迫されて血流が悪くなっていた腰椎レベルの血流が改善され、足の痛みや痺れが和らぐことが科学的に立証されています。
私もこの治療方法で脊柱管狭窄症の患者さんへ鍼通電治療を行い、痛みや痺れの症状を緩和できた経験があります。

 

鍼灸治療はまだまだ科学的に解明されていない謎のベールに包まれている部分が多い治療法ではありますが、これからも精進を重ねスポーツ選手の怪我、痛み・痺れで悩んでいる方たちの役に立てるような治療家になれるように頑張っていきたいと思っています。